WIZ8 on Mac OS X 試行錯誤編1 Windows98でやってみる。
前回の(もう二週間くらい空けていますが)記事は、自分としてとても不本意でした。というのも、「失敗」したのですが、ちゃんと過程を自分が体験した通りにトレースできていなかったし、読み物としてもあんまり面白くなかったからです。そこで、構成を変更してもう少し詳しく書き直すことにしました。
前回説明した通り、とりあえずintel MACでMac OS Xを動かしている上で仮想化ソフトを使いMS社製OSを動かし、Wiz8を動かすことにしたのです。
さて、仮想化ソフト上で動かすOSの選択です。勿論、MS-WindowsのDirect X7以降をサポートしているOSになります。
当然、仮想化ソフトもVMware FUSIONだろうがParallelsだろうが、全てのPC/AT互換機上で動くsoftwareをフルサポートしているわけではありません。(一応動くけれども実用的じゃないよ、というレベルで動く、という感じのOSも沢山あるでしょう。)ですから、VISTAやXPあたりの最近のものの方が、テストを沢山行っていて精度も高く動くに違いありません。VISTAは新しすぎてかえってドライバのたぐいも整備されていないことがありますし、折角OSが動いてもWIZ8が動くかどうか不明です。よって、常識的に考えれば、XP以外に選択肢が無いのです。
しかし、ここで、重大な問題がありました。
既にXPが動作しているPC/AT互換機を所持しているだけではだめで、MACで動いているParallels上で動かすXPのライセンスがもう一つ必要なのです。
(要は、もう1ライセンス分の料金をMSに払わなければ駄目なのです。)
しかし、私は一体全体、物心ついてから幾らぐらいMSにお金を払っているのでしょうか。私が最初にMSにお金を払ったのは、NECが出しているPC-9801版のMS-DOSだったと思います。(NECはライセンス料を払って自社独自Hardware向けMS-DOSを作っていたわけなので、消費者-> NEC -> MSというお金の流れになります。)
- NEC版 MS-DOS version 3.3
- NEC版 MS-Windows 3.1
- IBM版 Windows 3.1 (MSという名称が入っていたかどうか不明。とかくIBM版のwindowsとMS版の二種類存在したのは覚えている)
- MS版 MS-Windows 95 (3.1からのUpgrade)
- MS版 MS-Windows 95 OEM版 (ノートパソコンに付いてきた)
- MS版 MS-Windows 95 OSR2 (無印95とは違うとバイト先の先輩に言われて購入)
- MS版 MS-Windows 98
- MS版 MS-Windows 98 Second Edition (英語版)
- MS版 MS-Windows NT 4.0
- MS版 MS-Windows ME
- MS版 MS-Windows XP (Dellの糞マシンに付いてきた奴)
もう一体幾らつかったのかわかりませんね。Windows 2000やWindows 2003 Serverは仕事先で使っていましたが、自分で購入はしていませんね。MSXを持っている方は、特にOSを購入しなくてもROMに組み込まれたMS-Basicでライセンス料金を間接的にMSに払っていることになります。
・・・なんかあほらしくなってきましたね。あ、あとXP以降はACTIVATIONという実に厄介な儀式をしなければ、installしても継続使用できなくなりましたね。
とりあえず価格comでXPの料金を調べます。
http://kakaku.com/item/03107010192/
D'OH !!
なんですかこの気違いじみた高さは!!
最安値でも3-4万円します。狂ってます。ハードウェアを変えてWiz8をプレイしたいだけで、OS代 + 仮想ソフト代なども含めて約5万円。狂気の沙汰です。仕方が無いので、手元にCDが残っていて且つライセンス的にOKなWINDOWSを入れてみることにします。
えっとーーー。あっ、昔バイト先で使用していた英語版のWindows98 SEしかありません。XPのCDはDellのOEMのものですから、DELL製品以外に入れたらぶっ殺すぞテメエ的な事が書かれています。installできてもActivationが通らないでしょう。後のCDは仕事先でそのままどこかにいってしまいました・・・。
というわけで98 SEの英語版を動かすことになりました(前置き、ナゲーよ)。
- まず、98SEのディスクをディスクイメージに変換しました。(こういう作業はどうせ何度も地獄のinstall作業を繰り返すのです。毎回macの光学ドライブがガンガン唸るのは避けたいので、HDD上でファイルとして扱えるイメージに変換します。)
- 次に、いまどきのカンタンベンリカンタブランチなOSではないので、bootable CDではありません。若い人は知らないでしょうが、昔はboot floppyを作らないとOSのinstallさえ出来ません。よって、CD-ROMドライブのデバイスドライバとMSCDEX(懐かしい・・・)を組み込んだ、システムの起動ができるMS-DOSの起動フロッピーディスクのディスクイメージ(ファイル)を、苦労して作成します。過去の山ほどあるソフトウェア資産が生きました。
- さて、これでようやく、installの準備作業が終了です。ParallelsのUtilityっぽい画面から行える独自のBIOS Setupらしきものを終え、仮想フロッピーディスクと仮想CD-ROMをセットし、Parallelsを開始します。
- とりあえず、fdiskです。
- 再起動してformat C:です。懐かしいですな。
- cd-romドライブにあるsetup.exeを実行します。
- ここで、scandiskが開始されます。が、E:\WIN98\SETUP.EXE /im /is /ih /ie など、オプションを付ければscandiskやレジストリの一貫性調査などを省略できたと思います。何度もinstallする方は時間の節約を考えると付けた方が良いでしょう。
・・・ここから先に進みません。青い画面が出る前に、原因不明のエラーが発生しました、的なメッセージが出て終了です。fdisk -> format -> scandisk -> レジストリの調査で、数時間(実機だともっと高速です)も経過しています。これを三回ぐらい繰り返し、休日が3日くらい潰れました。
「これってWIN98SEであんまりテストしてねーんじゃねーか」と思いました。この時ばかりは、「Parallelsテメー金返せ!!」って叫んでしまいました。しかし、それは私の早合点でした。Parallels Desktopのマイナーバージョンアップ版をwebからdownloadしたら、OSのinstallは4回ぐらいやり直しただけでうまくできました。
さて、wiz8のinstallです。・・・・・・っと、なんかWindows98SEが変です。いや、変というか、16色しか発色できていないようです。そう、Parallelsは特殊なハードウェアとしてWindows98SE側からみられているので、ParallelsがCDに付属させたディスプレイドライバを入れなければ多色表示できません。こんなことは当たり前なのですが、私の脳みそがゆとりになっていたのでしょうか。
・・・Parallels Desktop 4.0のCDに入っていたイメージファイルからデバイスドライバをinstallし、さていよいよWIZ8のinstallだ、となるわけですが・・・。
なんかやはり変です。多色表示できている筈なのに、システム側でもビデオメモリを十分とっている筈なのに、色がやはり少ない。
サウンドに関しては、まったく鳴りません。
・・・調べてみると、Parallels Desktopは、3.0時代は98など古いMSのOSもフルサポートだったらしいのですが、4.0になると「申し訳程度」のサポートみたいです。その分最近のOSのサポートやテストが強化されているというわけです。
ここで、長年の無駄な計算機環境設定経験が生きてきました。そう、たぶん3.0のデバイスドライバでも4.0環境で動くであろう、と私の、かつては地獄の設定マニアであったが今ではゆとり菌に侵されている脳みそは閃いたのでした。3.0のサポートページから、マイナーupgrade版のCDイメージをダウンロードし、そのなかからデバイスドライバのディスクイメージを取り出して、4.0環境で動かしてみました。
成功です。色数も増えましたし、サウンドも認識するようになりました。
これでやっとWiz8をinstallすることができます。長かった。長かったよ! オカーチャン。
installerは無事起動し、installも一応正常に終了しました。
最初の起動は見事に失敗。ロゴが出てから先に進みません。やはり4.0環境に3.0のデバイスドライバを使っているからなのか、Parallels Desktop上で動く英語版Windows 98SE自体がかなり不安定でした。IEの動作がやたら重かったし。
2回目の起動。今度はsoundやディスプレイの設定だけ行うプログラムを起動した後に、wiz8を起動してみました。DirectXもsoundの設定もうまくできた筈なのに、起動すると真っ黒い画面になり、Sir-tech終末期の輝かしいロゴも出てきません。TREBORの亡霊が取り憑いていたのでしょうか ?
とかく、謎です。10年前くらいの私なら、設定がちゃんとできるまで死ぬまで休日や空き時間を犠牲にして試行錯誤を繰り返したでしょう。しかし、そんな愚直でvitalityあふれた若者は既に死んだのです。
職場ではPCに、最初からwindowsが入っている状態のパソコンしか知らない「オレ、パソコン得意なんです」的なDQN性欲旺盛な若者がおにゃにょこ達にPCの買い方指南をしています。まあ彼らはLinuxや*BSDなんぞ、たぶん一生触れる事が無いでしょう。ですからwindowsがおかしくなったらメーカーのサポートに電話するか、ハードウェアごと買い替えるのです。それをやっても経済的にさほど苦でないくらいにパソコン(家庭用汎用電子計算機)は安くなってしまいました。そんな気違いじみた時代ですから、私は、XPのライセンスをもう一つ購入し、もう一度くらい、あのいけすかないMicrosoftの世界支配に貢献する気になってしまいました。